こんにちは。パーソナルトレーナーの西田です。
今回のブログでは、「目的論とは?アドラー心理学の目的論を体づくりに活かす!」について書いていきたいと思います。
目的論という言葉を聞いたことがありますか?目的論という言葉を初めて聞いた方も多いと思いますが、アドラー心理学という心理学の1つの考え方になります。その目的論というものが、ダイエットをするにしてもバルクアップをするにしても、体づくり全体に深く関係してくると僕は思っています。
アドラー心理学とは、心理学の三大巨頭のうちの一人、アルフレッド・アドラーが提唱している心理学のことです。「嫌われる勇気」という本が売れていて、ちょっとブームみたいになっていましたね。最近ではドラマにもなったみたいです。こちらですね。
このアドラー心理学の目的論を理解することによって、なぜ体づくりにおいて成果を出すことができないのか?ということや、なぜ体が変わらないのか?ということがわかるようになります。
ちなみに、この目的論的考え方は、ダイエットやバルクアップだけに役立つのではなく、様々な分野で活用することができます。僕の場合ですと、仕事・パートナーとの関係などにすごくいい影響がありました。
是非あなたにも、アドラー心理学の目的論という考え方を知ってもらいたいと思います。この考え方が正しいかどうか?ということよりも、この考え方によって人生がいい方向に行くかどうか?という観点で見てもらえればな〜と思います。早速行ってみましょう!
アドラー心理学の目的論とは何か?
まず、アドラー心理学の目的論という考え方が、どのような考え方なのか?という点について書いていきたいと思います。
アドラー心理学の目的論と反対の考え方が、フロイトの提唱する原因論という考え方です。この考え方は、物事には原因があるという考え方になります。一般的な考え方なので、理解しやすいと思います。
原因論の考え方としては、
過去に原因がある
という考え方になります。
目的論の考え方としては、
今に目的がある
という考え方になります。
これだけでは分かりにくいと思います。今から例え話をしていくので、原因論と目的論という2つの観点から見てみましょう。
赤面症の方の例え話を目的論と原因論を考える
あるところに赤面症の方がいました。この方は、人前に出たり緊張したりすると、顔が赤くなってしまうという症状があります。この赤面症のせいで、異性とお付き合いできない、、、という悩みを抱えているとします。
この症状を原因論から考えると、例えば、以前人前で恥ずかしい思いをした経験があるので、それが原因となり赤面症になってしまったという考え方になります。トラウマというやつですね。
結構わかりやすい考え方ですよね。
この考え方だと、赤面症という症状には、過去に原因があるという考え方になります。ニュアンス的にいうと、過去に原因があるので赤面症になるのはしょうがないといったニュアンスになります。
この症状を目的論から考えるとすれば、赤面症になる目的があるということになります。例えば、異性と付き合いたいけど、告白して振られることが怖いし、振られることによって傷つきたくないという目的がある。振られて傷つきたくないという目的があるから、告白できないように赤面症という症状を作り出すとう流れです。
目的論を初めて聞いた方には、かなり新鮮な考え方だと思います。何か原因があるから赤面症になるのではなく、赤面症には目的がある。その目的とは、自分が傷つかないようにすることが目的だ!という考え方です。
これは赤面症の方に直接言うには、かなり厳しい言葉だと思います。あなたが赤面症なのは、自分で赤面症でいることを選んでいるからですよ!ということになります。
赤面症なのはしょうがないことではなく、あなたが赤面症でいるということを選んでいるんですよ!ということです。これが原因論的な考え方と目的論的な考え方の違いになります。
過去に原因があるのではなく、今に目的がある
先ほど、目的論はかなり厳しいと言いましたが、逆に言えばとても相手の可能性を信じている優しい言葉とも受け取ることができます。
原因論的な考え方
あなたは赤面症なのは、過去に原因があるからしょうがないんですよ〜
目的論的な考え方
あなたが赤面症なのは、あなたが赤面症を選んでいるからですよ〜。逆に、あなたが選べば赤面症という症状は必要ではないですよ〜あなた次第ですよ〜
こんな感じですね。
原因論的な考え方では、あなたが赤面症なのは過去に原因があるからしょうがないんですよ。コントロールできませんよ。と言っているのに対して、目的論では、あなたが赤面症なのは、あなたが赤面症でいることを選んでいるからですよ。あなた次第では、赤面症はなくなりますよ。つまり、コントロールできますよ。と言っていることになります。
どちらの考え方が、正しいのか正しくないのか?というよりも、どちらの考え方が、未来に対して希望があるかどうか?という点で考えてみてもらえたら。と思います。
僕的には、目的論の考え方の方が好きなので、そちらの考え方を採用しています。
目的論的な考え方で体づくりを考える
では、目的論的な考え方で、体づくりについて考えてみたいと思います。
例えば、ずっとダイエットをしたいと思っていても、ずっとダイエットが成功しない方がいたとします。
目的論的に考えると、この方はダイエット出来ない原因があるのではなく、太ったままでいることを自分で選んでいるということになります。
例えば、もともとガリガリの体型で、ずっと体を大きくしたいと思っても、ずっとバルクアップに成功しない方がいたとします。
目的論的に考えると、体が大きくならない原因があるからではなく、ガリガリでいることを自分で選んでいるということになります。
多分、本人にこういうことを言っても、なかなか納得できないと思います。しかし、長期間体が変わらないということは、無意識的に変わらないことを選んでいるということです。
つまりどういうことかというと、このような方の目的は「現状維持」になっているということです。
「変わらない」という決断をしている
変わりたい!と思っていても、長期的に変わっていない方というのは、無意識のうちに「変わらない」という決断をしているという事になります。
現状を維持するという事と、理想の体になるという事のどちらを選んでいるかというと、現状を維持するということを選んでいるということになります。
なかなか体づくりで成果が出ない方は、まずはこの事に気づく必要があります。
現状を維持する >>> 理想の体になる
このような状態ですね。
能力の問題ではない。選択の問題である。
つまり、長期間体を変えたいと思っていても体が変わらない方は、理想の体になるということよりも、現状を維持したいということを無意識に選んでいるということになります。
これは体づくりを成功させるためには、能力があるかないか?ということではない!ということになります。選択の問題なのです。体には遺伝的な要因がありますが、あくまで要因の1つです。ダイエットやバルクアップというものは、特殊な体質や病気ではない限り、やることをやれば誰でも成功できます。
能力があるのか、ないのか?ということではなく、やるのか、やらないのか?といった選択の問題です。
ダイエットや体づくりというのは、誰でも成功体験を得られるものだと思います。スポーツなどにはセンスや才能といったものの要素も大きいですが、ダイエットやバルクアップは、ある程度のレベルまでであれば誰でも成功することができます。やるのか、やらないのか?です。
その他にも要因がありまして、理想の体になるためには、それ相応の努力をする必要があります。ということは、このような天秤が成り立ちます。
楽をして現状を維持したい 努力をして理想の体になりたい
あなたはどちらを選んでいますか??この選択は体づくりだけではなく、人生のいろいろな場面でも応用できると思います。
自分の高校時代の話
僕の高校時代の部活動の経験をシェアしたいと思います。僕がトレーナーになろうと思った大きなきっかけは、高校時代の部活動にあります。バスケ部に所属していて、そのバスケ部は県内でも有数の強豪校でした。県内で勝つのは当たり前。全国でベスト8目指すぞ!みたいな感じでしたね。
入学当初から、練習についていくことが出来ずに、自信が持てずにいました。そして、目標設定もうまくできていませんでした。目標設定については、こちらの記事を参考にされてください。
一応三年間頑張りましたが、怪我ばかりしていました。最後まで主力選手になることは出来ずに、思うような結果を残すことは出来ませんでした(-_-)
そのような経験があったので、高校卒業後はスポーツリハビリの道へ進むことを決めました!
アドラー心理学の目的論を初めて知った時
僕が初めてアドラー心理学の「嫌われる勇気」という本を読んで、目的論という考え方を知った時に、めちゃくちゃ衝撃を受けました!
そこで、僕の高校時代のことについて気づいたのです。
それまで僕は、高校時代は試合に出たいとか目標を達成したいと思って頑張っていたのに、怪我をたくさんしてしまっていた。と思っていたのですが、そういうことではなく、楽をしたいからあえて怪我をしていたのではないか?ということに気づきました。
つまりこういうことですね。
楽をして現状を維持したい >>> 努力をして目標を達成したい
楽をして現状を維持するという方を無意識に選んでいたんですね。練習もむちゃくちゃきつかったので、怪我をすれば練習を休むことが出来ます。今では、無意識に楽をしたいという気持ちが強くて、あえて怪我をしていたんだろうな〜と思っています。
コンディショニングメインのトレーナーだった頃
僕は今はダイエットやバルクアップ目的などを中心としたパーソナルトレーナーですが、元はコンディショニングメインのトレーナーでした。
関節や筋肉のコンディショニングというものを行って、体の不調を改善したり、体を動かしやすくすると行ったことをやっていました。
これが結構好きだったのですが、1つ悩みがありました。
それは、不調が改善したり体の調子が良くなったのに、あまり喜ばない人が一定数いたことです。もちろん、喜んでくれる方もたくさんいましたが、一定数の方は確実に改善していたとしても、あまり喜ばないというか、う〜んという感じの方が一定数はいました。
このような方たちは、1つの原因が解決して良くなったと思ったら、別の原因が出てきて、その原因が解決したら、また別の原因が出ていてといったことを繰り返す方が多かったのです。
そして結局は、現状を維持してしまうという状態です。
しかし、この悩みもアドラー心理学の目的論を知ることによって解決しました。
つまりこのような方たちは、体が不調でいることをあえて選んでいたんだなと僕は解釈しています。
体が不調であることによって得られるメリットというのは、結構あると思います。例えば、腰を痛めているから重い物を持たなくてよかったり、持病があるから会社が休めたりといったメリットです。赤面症の方の例え話と同じですね。
体に不調がある方が全員がこのような状態だと言っているわけではありません。しかし、一定数は体が不調であることを無意識にメリットだと感じていて、その状態を維持したいと思っている方もいると思っています。
目的論で「怒り」を考える
目的論で、「怒り」という感情を考えてみましょう。
例えば、飲食店でウェイターに飲み物をこぼされて、思わず大きな声で怒ってしまったという方がいたとします。
大きな声で怒った人に、なぜ怒ったのか?と聞いてみると、たいていの場合は飲み物をこぼされたから大きな声で怒ってしまったのだと答えるでしょう。
しかし、アドラー心理学の目的論で考えるとどうでしょうか?
これを目的論で考えると、「大きな声で怒鳴るために、怒りという感情を作り出したのだ」という解釈になります。
原因論
怒ったから→大きな声を出す
目的論
大きな声で怒鳴りたいから→怒りという感情を作り出す
このような違いですね。
これを初めて聞いた時は、衝撃でしたね〜笑
僕には子供が3人いるのですが、怒鳴ることがあります。目的論で考えると、怒鳴ることには目的があるんですね。
それは、手っ取り早くこちらの言うことを聞かせるという目的です。手っ取り早くいうことを聞かせるために、恐怖という手段を使って子供をコントロールしようとしているということになります。
多くの子供は、怒られたり怒鳴られたりすると怖いので、その人の言うことを聞くようになります。大人としても怒った方が手っ取り早いので、子供に怒鳴る人も多いでしょう。
しかし、こちらの要望を子供に伝えるのなら、言葉で説明することだって出来るはずです。でも、子供相手だと手間がかかりますよね、、、
なので手っ取り早くこちらの言うことを聞いてもらうために、怒鳴りたい。だから怒りという感情を作り出すといった流れになります。
僕は今でも子供に怒鳴ることがありますが、回数はだいぶ減りました。苦笑 もう少し修行が必要ですね!
原因論と目的論の両方から考える
ダイエットやバルクアップなどの体づくりで、長期的にうまくいっていない場合は、目的論で考えることも重要ですが、原因論でも考えてみるといいと思います。
なかなか目的論の話を聞いただけで、すべての物事を目的論で考えることは難しいと思います。
中には、原因論で考えた方がうまくいく場合もあると思いますので、原因論と目的論の両方から考えてみると良いと思います。
目的論かも?と考えよう
でも、長期的にうまくいっていない場合は、「うまくいかなのには、何か目的があるのかも?」と考えてみることをおすすめします。
そうすると、新しい発見があると思いますよ!
目的論とは?アドラー心理学の目的論を体づくりに活かす!のまとめ
今回の、「目的論とは?アドラー心理学の目的論を体づくりに活かす!」のブログはいかがだったでしょうか?おそらく多くの方は、初めて聞いた内容だったと思います。
今回の目的論という考え方は、アドラー心理学の中のごく一部分でしかありません。他にもあなたの人生を変えるかもしれない、様々な考え方がありますので、ぜひ一度本などを読んでもらえればなと思います。
おすすめの本はこちらです。
そして、かなり分かりやすい動画もありますので、こちらも見られるとわかりやすいと思います。
目的論という考え方は、もちろんダイエットやバルクアップなどの体づくりでも役に立ちますが、他のいろいろな物事にも役に立ちます。おすすめです!ぜひ本や動画を見てもらえればな〜と思います。